日頃から患者さんとのコミュニケーションを取る事は、看護師として必須ですが、モンスターペイシェントな患者さんになるとコミュニケーションを取る事も難しく感じがちです。しかし、モンスターペイシェントの患者さんだからこそ、きちんと向き合い、問題に発展させない事も大切です。ここでは、モンスターペイシェントの患者さんに対応する方法を紹介します。
全ての患者さんは怪我や病気を抱えています。治療が長くなれば、不安や不満も溜まりやすくなるのは仕方ありません。また、自分の怪我や病気の治療や経過を自分で把握したがります。その際に、患者さん本人やその家族が、医師の診断の他に書籍やインターネットを用いて色々と調べたりします。その中には民間療法的なものがあったり、まだ日本では数件しか行っていない治療法や、日本ではまだ許可の下りない薬があったりもします。この様に、正しいかどうかも分からない治療法や看護法の情報を信じてしまう事で、看護師や医師との摩擦が起きる事もあります。
また、最近ではマスメディアが医療事故を多く取り扱う事で、患者さんやその家族を不安にさせてしまい、モンスターペイシェントを多くする要因と考えられています。ですので、看護師や医師は普段から患者さんとコミュニケーションを図る事が信頼関係を作る上で大切となりますし、不安や不満部分を少しでも減らしてあげる対応がモンスターペイシェント問題を少なくもできるのです。
まず、一番大切なのは傾聴です。単純に話をするのではなく、理不尽な内容であっても相手の言い分を、こちらの言い分を挟まずに聞く事が大切です。怒りで興奮している患者さんは傾聴によって気分が落ち着く事が多いのです。看護師は時間に追われる仕事ではありますが、作業をしながら話を聞いてしまっては逆効果です。5分でも患者さんとしっかり向き合い、話を聞いてあげる事でこの看護師は話をきちんと聞いてくれると感じるはずです。
また、1人では話を聞く事すら難しい時は、他の看護師やスタッフに協力して貰い、2人で話を聞いたり、協力体制があるなら複数で話を聞く事が望ましいです。その際には、記録係と話を聞く係に分けて、話の記録は後の立証措置に役立てるのも良いでしょう。1人または複数での対応の際も、相手を更に興奮させない事が何より大切です。
モンスターペイシェント被害を防ぐ為には、日頃から看護師などが患者さんとのとのコミュニケーションを上手くとり、良い関係を築く事が大切です。患者さんからの意見や苦情など受け付ける部署をきちんと伝えたり、院長や副院長など、管理者が誠実に対応する事も必要です。もちろん看護師同士や医師、他スタッフとの連携は必須です。患者さんのクレームの中で多いのは、医師からきちんとした説明が無かったなど、医師とのコミュニケーション不足が問題となりやすいのです。医師は限られた診療時間の中では、患者さんが納得できるまで説明するのは難しいので、看護師からのフォロー、又は相談室などを設置し、医師と患者さん、その家族と共に、仲介役として相談員スタッフを配置する事も好ましいです。